リウマチ科
当院は地域のいちクリニックですが、関節リウマチと膠原病の診療については高い専門性をもって診療を行っております。大学病院等の総合病院と同等に、最新の知見に基づいた的確で安全な治療を提供しています。また、治療期間が長期にわたることもある疾患群のため、疑問や不安が少なく通院いただけるように信頼関係を築くことにも注力しております。心配な症状がある方、また現在治療中の方も、どうぞお気軽にご相談ください。
関節リウマチについて
関節リウマチは、免疫の働きに異常が生じた結果起こる疾患の一つです。正常な免疫は、外部から体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物を攻撃し、排除する働きを担っています。しかし、免疫に異常が生じると、誤って自分自身の細胞や組織を攻撃対象としてしまいます。
炎症が続くと、関節の周囲を取り囲んでいる滑膜が腫れ上がり、関節の腫れや痛みを引き起こします。この状態を放置すると、さらに炎症が悪化して、骨や軟骨自体を破壊し、変形を生じてしまいます。一度変形した関節は元の通りに戻りません。そのため、早期に診断し治療を行うことが重要です。
関節リウマチでよくある症状
- 関節の腫れ
- 関節の痛み
- 朝のこわばり
診療の理念
関節リウマチの診療内容はこの10年あまりで劇的に進歩しました。その理由は2つあります。まずは、関節超音波(エコー)検査が普及し、診断や活動性評価がより精確に可能になったことです。そしてもうひとつは、生物学的製剤の開発により、特効薬とも言うべき治療の選択肢が増えたことです。診断、治療、病状の評価はどれも欠かせない大切な要素です。患者さんおひとりおひとりの状態にあわせて、最適な治療方針を提案させていただきます。
当院では関節エコー検査と生物学的製剤を含めた治療のいずれも受けることが可能です。下記の理念に基づいて診療を行っておりますので、検査のこと、薬剤のこと、費用のこと、気になることがあればどんなことでも、お気軽にお尋ねください。
- 関節エコー検査を用いて、早期診断と精確な病状評価を行います
- 生物学的製剤を含めた適正な治療を行います
- 状態や生活環境に応じた個別性の高い診療を提案します
- 治療効果だけでなく副作用や合併症もしっかりフォローアップします
- 安心安全な診療とコミュニケーションを大切にします
関節エコー検査について
当院では、関節超音波(エコー)検査を積極的に用いて、関節リウマチの早期診断と病状評価を行っています。
超音波検査は、プローブと呼ばれる手のひらに収まるサイズの機械から超音波を体内に送り、反射を利用して臓器の状態を評価する検査です。レントゲンやCTのように放射線に被曝することはなく、検査自体による痛みも基本的にはないため、患者さんにとっては負担の少なく、医師にとっては得ることが多い優れた検査です。心臓や腹部などいろいろな場所に用いられていますが、関節の評価にも非常に有用です。しかしながら、日本ではまだ関節エコー検査が十分に普及していないのが実状です。
関節リウマチでは、関節エコー検査により、炎症を起こして血流が増加した滑膜や関節周囲の骨が溶けた状態 (骨びらん)を描出することができます。従来のレントゲン検査では、滑膜の炎症は確認できませんし、骨びらんも進行してからではないと写りません。関節エコー検査では、これらの関節リウマチの炎症を早期から捉えることができるため、治療の必要性を速やかに判断できます。また、治療開始後の病状評価にも用いています。当院では関節エコー検査を、予約不要で、初回診察時から受けることができます。
膠原病について
膠原病は免疫の異常により、自身の組織を攻撃してしまう自己免疫性疾患に分類されます。自己免疫性疾患の中で、攻撃対象が結合組織(組織間をつなぐ膠原繊維)にあたるものを膠原病と称しており、様々な疾患が含まれます。代表的なものとして、全身性エリテマトーデスや強皮症、シェーグレン症候群、多発性/皮膚筋炎などが挙げられます。
症状が全身性かつ多彩であるため、診断がつかないまま悩んでおられる方もしばしばおられます。また、関節リウマチと症状が似ているため、同疾患として対応されてしまっている場合もあるようです。疑わないと診断できないのが膠原病の難しいところです。原因不明の症状がある場合には一度ご相談ください。
膠原病でよくある症状
- 繰り返す、または長引く発熱やだるさ
- 関節の腫れや痛み
- 筋肉痛や筋力の低下
- 皮疹や紅斑、光線過敏症
- リンパ節の腫れ