エコー(超音波)検査は心臓や腹部、産婦人科など様々な領域で普及していますが、関節についてはまだ検査可能な施設が限られているのが実状です。関節エコーは関節リウマチはもちろんのこと、腱鞘炎などの整形外科の診療においても診断や治療効果の確認に大変役立ちます。今回は、この関節エコー検査についてご紹介したいと思います。

 

まず、エコー検査とは?のお話から。検査の流れは至ってシンプルです。

  • 検査は診察室で、事前準備なしに行うことができます。
  • 麻酔等処置前の投薬も不要で、基本的には痛みもありません。
  • 数cmサイズのプローブと呼ばれる機械を診察する部位の肌に当てます。
  • プローブから出る超音波が体内で反射した結果を画像として可視化します。

(お腹のエコー検査のイメージ)

CTやMRIは、撮影した時点での(主に静止)画像を振り返ってみる検査です。一方で、エコー検査はリアルタイムにその場で評価ができ、心臓や腸の動き、血流といった動的な状態も捉えることができます。イメージとしては、写真アルバムをみるのと、ライブカメラをみるような違いでしょうか。レントゲンやCTのように放射線は発生しませんので被爆はありません。MRIのように閉所恐怖症や金属物がある方は受けられない、といった制約もありません。

 

関節の検査として普及しているのはレントゲンですが、関節エコーでは、レントゲンでは骨と骨の隙間としてしか見えない関節内部の組織を観察することができます。関節リウマチにおいては、この隙間の部分に炎症が起きるため、レントゲンでは十分に評価ができません。関節エコーは関節を構成する滑膜の炎症や骨びらんを描出することができるため、より正確に・より早い段階で診断することができます。さらに治療開始後は治療の効果を多面的に確認することができます。例えばCRPやMMP3といった関節リウマチの炎症を反映する血液検査値が陰性でも、関節の痛みや腫れを訴える方がおられます。こういった場合に関節エコーを行うと、滑膜炎が残存していることがあり、血液検査では病状を反映していないことがわかります。血液検査だけを指標にするよりも、エコーを併用することで病状を正しく評価することができるのです。

 

このように、エコー検査は患者さんの負担が少なく得られる情報が多い優れた検査ですが、デメリットはないのでしょうか。もしあるとすると、検査を行う人の技量によって正確さにぶれが生じる可能性があることかもしれません。当院では、毎月100例以上の関節エコー検査を行っておりますが、これからも日々研鑽を積み、患者さんに還元してまいりたいと考えています。

※かめいクリニックでは、関節エコー検査は予約不要で当日受けることができます。

 

T.

 

 

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かめいクリニックは大阪府豊中市、

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