かめいクリニックでは総合内科専門医・リウマチ専門医が膠原病診療を行っています。膠原病は専門としている医師が多くはない領域でもあるため、関節リウマチ等の別の病気と誤診されている場合もしばしばございます。このブログでは、少しでも皆さんの参考になればとの思いで膠原病についてご紹介してまいりたいと思います。
まず、膠原病とは何でしょうか。とっつきにくい印象があるのは、それが「どこ」の病気なのかすぐには分からないかもしれません。例えば、脳梗塞=「脳」の病気、胃潰瘍=「胃」の病気、といったようにすぐに思い浮かぶ臓器の病気であればイメージしやすいでのですが…。膠原は膠原組織のことで、特定の組織を明示してはいるのですが日常的に使う言葉ではありませんね。英語ではcollagen diseaseといい、コラーゲン=結合組織が病気の主座です。結合組織は細胞と細胞の間をつなぐ役割を担っているため、全身いたるところに存在しています。この結合組織に異常な免疫応答がおきることで、特定の変性(病的な変化)が生じるのが膠原病で、起きた場所に応じて症状が出現します。そのため、膠原病はそれぞれの疾患である程度の偏りはあっても、全身性に症状が起こり得ます。
また、膠原病は一つの病気の名前ではなく、結合組織に特定の炎症・変性を起こす自己免疫性疾患群のことを指します。膠原病の中には様々な病気が含まれていますが、上記の定義に基づく古典的膠原病とは、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、リウマチ熱、強皮症、皮膚筋炎・多発性筋炎、結節性多発性動脈炎の6つのことを指します。現在では、シェーグレン症候群やベーチェット病、成人スティル病などの自己免疫疾患も膠原病関連疾患として、広義の膠原病として一般的には取り扱われています(当ブログでも広義の意味で膠原病診療としてお話しさせていただいております)。比較的お若い方に多いものからご高齢の方に多いもの、外来で治療できる程度のものから入院治療でないと対応が難しいものまで、病気の性質は実に様々です。症状も多岐に渡るため、まずは病気を疑い正しく診断することがその後の治療のためにはとても重要です。
とても残念なことではあるのですが、医師であっても膠原病の診断をすることは時に容易ではありません。原因不明といわれる症状がある方や、診療を受けていても改善が得られない方の中には、膠原病の患者さんがおられるのではないかと考えています。膠原病診療を最も得意としているのは内科や内科系のリウマチ専門医です。もちろん他にも様々な病気の可能性がありますが、診断がつかない・診療を受けていても症状が良くならないといったお悩みを抱えておられる方がおられましたら一度ご相談ください。
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