かめいクリニックでは、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医が関節リウマチの診療を行っています。今回は目ざましく進歩している関節リウマチの治療についてお話したいと思います。
一昔前(もしかしたら今でも)、リウマチは「痛み止めとステロイドを使ってみるが、変形は避けられないやっかいな病気」というイメージがあったように思います。しかしながらこの10年ほどの間に治療の選択肢は増えており、変形する前に病気の活動性を抑えて生活の質を上げることができる時代になりました。関節リウマチ治療で大切にするべきこととして以下の3つが唱えられています。
- 早期から治療すること
- 治療目標を明確にすること
- 厳密に管理すること
つまり、「タイミングを逃さず治療を開始し、個別の目標を達成できるように丁寧に診療を行う」ことがポイントです。
痛み止めやステロイドは今でも大切ですが、これらは関節リウマチの進行を抑える力は弱く、あくまでその場をしのぐための対症療法的な側面が強いお薬です。現在の一般的な治療をざっくり分類すると、①抗リウマチ薬、②生物学的製剤やJAK阻害剤、③痛み止めやステロイド、④薬剤以外の処置、⑤合併症や副作用への対策の4つだと考えています。
まず最初に検討するのは、①メトトレキセート(商品名:リウマトレックスなど)に代表される抗リウマチ薬の内服です。広く普及しており、非専門医や整形外科でも投与されていることが多い治療です。メトトレキセートの場合、2割くらいの方がこのお薬だけで寛解と呼ばれる痛みや腫れが抑えられた状態になると言われています。残念ながら効果が十分でない場合には、次の段階として②生物学的製剤やJAK阻害剤といったより専門性の高い薬剤を考慮します。これらの薬剤は専門医が取り扱うべきであり、患者さんの状況に応じて使い分けるのが腕の見せ所といえます。また、治療は始めれば良いというものではありません。効果と副作用をしっかりと判定し、現在の治療が最適かどうか検討を重ねていくことの連続です。
これらのお薬の治療は効果が出るまでに少なくとも数週間必要です。効果が出るまでは、③痛みに即効性のある対処法として痛み止め(セレコキシブなど)やステロイドを併用します。また、局所の腫れが強い場合には、ステロイドを関節内に注射する処置を行うこともあります。④には関節注射のほか、リハビリや手術といった対応も選択肢として考えられます。(⑤合併症や副作用対策については別途またお話しさせていただきたいと思います)
患者さんから、治療を始めたらやめられないでしょう、という質問をよく受けます。これは関節リウマチに限らずですが、完全に治る病気というのは意外と少ないものです。正直に申し上げて、関節リウマチの場合も腰を据えた治療が必要になる場合が多いです。しかしながら、必要な時に十分な治療することで、将来的には薬剤を減量・中止することも不可能ではありません。逆に治療の手を中途半端に緩めると、結局、痛みや変形による不便さを生じる結果になりかねません。炎症を押さえ込み、その状態を維持する治療が必要なのです。治療を続けることは時に不安やストレスを感じられるかもしれませんが、そんな時こそ治療目標をもう一度共有し、患者さんに併走できる医療を提供したいと思います。
かめいクリニックでは、最新の知見に基づいた個別性の高い治療を行っております。その方それぞれの状態をしっかりと把握した上で、生物学的製剤やJAK阻害剤といった専門性の高い治療も提案させていただいております。また、すでに他院で診断・治療開始されている方の診療引き継ぎ(転医)もお受けしておりますので、ご相談ください。
次回は、治療薬についてもう少し細かくご紹介したいと思います。
T.
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