かめいクリニックでは、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医が関節リウマチの診療を行っています。今回は関節リウマチの治療の中心的役割を果たす、抗リウマチ薬についてお話したいと思います。なお、厳密な分類の話になると大変ややこしくなってしまうので、このブログでは一般的に普及している分類として、生物学的製剤やJAK阻害剤を除いた内服のお薬を抗リウマチ薬として扱っています。
抗リウマチ薬は関節リウマチに関わる異常な免疫応答を抑えることで、関節炎や骨破壊を食い止める免疫抑制剤です。現在の主役はメトトレキセート(商品名:リウマトレックス)で、世界で最も使用されている関節リウマチのお薬です。ただし、間質性肺炎や腎機能障害がある方、妊娠中や妊娠を考えておられる方等は使用できません。メトトレキセート以外には、タクロリムス (商品名:プログラフ)やサラゾスルファピリジン(商品名:アザルフィジン)といったお薬があります。臓器機能や肺炎の有無、他に服用している薬といった情報を事前に確認したうえで薬剤を選択します。
治療効果は症状と検査結果(血液検査、関節エコー等画像検査)を総合して判断します。抗リウマチ薬は効果が判断できるまで数週間〜数ヶ月要します。即効性はありませんが、治療効果を焦らずに決められた用法用量で内服を続けてください。効果が確認できるまでの間は、痛み止めやステロイドの内服・関節注射といった方法を併用して症状の緩和を図ります。また、症状が良くなった後もお薬は継続が必要な場合が多いです。治療開始の時点で終了時期を決められるわけではないことをご理解ください。免疫抑制剤については自己判断で飲んだり飲まなかったりすると、結果的に病気の治療を難しくしてしまう結果につながってしまうこともあります。薬を飲み続けることに不安を感じられる方もおられるかと思いますが、その時は何が心配なのか、ぜひお気軽にご相談ください。
どのお薬も程度は様々ながら、20〜50%の方に副作用が生じるとされています。吐き気や皮疹など、ほとんどは対策を講じることができる問題です。ただし、間質性肺炎や骨髄抑制(血液の障害)といった稀ながら重篤な転機をとりうる副作用もあるため、治療中は必ず定期的な通院と健康確認を行います。治療は始めたら終わり、というものではありません。始まってからのフォローアップがとても大切です。
次回は、治療薬のうち、生物学的製剤やJAK阻害剤についてご紹介したいと思います。
T.
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